妻夫木聡主演作『ブタがいた教室』が第21回東京国際映画祭のコンペティション部門に出品され、25日に妻夫木と前田哲監督の舞台あいさつ、そして観客からの質問を受け付けるティーチインが行われた。
1990年に小学校で行われた、ブタを飼育後に食べるか食べないか議論した実践教育を映画化。物語の結末を子どもたちには知らせずに、ペットのようにかわいがったブタをどうするべきか議論する授業シーンは、一瞬たりとも気が抜けないほど緊迫した内容になっている。
「子どもたちとの距離感が一番大変だった」と語る妻夫木は、子どもたちには“俳優・妻夫木聡”としてではなく、役の“星先生”として向き合った。「教師として教育論を自分でまとめるなど、これまでとは異なる役へのアプローチを行った」と語る妻夫木が最もうれしかったことは、撮影中に本気でしかった子どもが「以後気を付けます」と謝りに来たことだという。妻夫木は「教師として充実感を得た」と顔をほころばせた。
ティーチインの終盤では、観客として観賞しに来ていたという松山ケンイチが挙手し、前田監督が指名。突然の人気者の登場に会場はどよめくが、松山は平然としながら妻夫木に「職員室と教室ではお芝居が違うように感じたが、やっぱり“子どもには勝てない”と感じたのか?」と芝居について鋭い質問を投げかけた。妻夫木は「まさか(事務所の)後輩からダメ出しされるとは…」と苦笑いしながらも、「星先生として子どもたちをどう引き出すべきか考えて語りかけた」と討論会のシーンを振り返った。ただし、そのシーンは全部カットされてしまうが、子どもたちの演技から先生の存在感は感じ取れる。妻夫木が「松ケンが売れてよかった」と後輩に温かい言葉を送ると、松山も「妻夫木さんが子どもたちと一緒に見えたということは役者としてサイコー。いつか一緒に仕事したい」と先輩をたたえた。
コンペティション出品作として受賞への意欲を聞かれると、妻夫木は「100%とれないと思う。できれば観客賞がとれれば…」と答えていたが、実際には観客賞と審査員賞をダブル受賞。一般の観客が最も支持した作品にぜひ多くの人が触れ、本当の教育や食べるという行為の意味について考えてほしい。
『ブタがいた教室』
11月1日(土)より、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
取材・文・撮影:筧みゆき
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